
井上恵一は福岡支部に所属をするボートレーサーです。
かつては地元のA1級レーサーとして活躍も時代の変化に伴ってB級落ちへ。しかし1人の選手との出会いがそんな井上恵一の人生を大きく変えることになりました。
井上恵一
これまで
選手情報

| 支部 | 期 |
|---|---|
| 福岡 | 72 |
ボートレーサーになるまで・養成所
福岡県出身の井上恵一は新宮高等学校卒業後に福岡大学へと進学。その後ボートレーサー養成所試験を合格し72期生として当時の本栖訓練所へ入所。

同期には「頑張ります」でお馴染みの石田政吾や「最強のパートタイマー」の愛称で知られ全盛期にはSG戦線でも活躍をした淺田千亜希などがいる中、同期リーグでは全体2位となる勝率7.70の成績をマーク。
この当時の養成所は、心身共に完成していない中学卒業~高校卒業をしたばかりの候補生が中心だったこともあり、大学進学後に養成所へ入所をした井上恵一の人生の経験値が1枚上手となっていました。
デビュー後
1993年のデビューからわずか2年で初優出。そこから更に2年が経過した1997年に初優勝を飾りました。
2000年代中盤までA1級とA2級を行き来しながら優勝と実績を積み重ねていましたが、全国屈指の強豪かつ大所帯である福岡支部ではG1出場回数は限られてしまい戦う舞台は主に一般戦が中心でした。
SG最大のチャンスを逃し・・・
2016年2月に5年振りの優勝を達成し夏以降はA1級にも昇格。この年は7月までに4度の優勝を決めあと1度優勝すればデビュー24年目でのSGデビュー(ボートレースクラシック)の出場が確実視されるも残念ながら一歩及ばずに1年間が終了。
そしてこの優勝を最後に井上恵一は長く暗いトンネルから抜け出せない日々が続いていくのでした。
弟子の採用で奮起
A1級に在籍し記念戦線でも活躍をして来た井上恵一でしたが、2018年辺りからその成績は下降線を辿り続けB1級へ降格。4期通算の強制引退に該当をしないがこれ以上の活躍も望めないボートレース業界にありがちなB1級選手としてこのまま引退まで走り続ける・・・そんな雰囲気を漂わせていた中で、ある転機が訪れました。
それが同じ福岡支部の宮脇遼太と師弟関係を結んだことです。
清水愛海や川井萌らを輩出した127期出身ながら養成所の同期リーグでは最下位の成績でプロデビューを果たした宮脇遼太はデビュー後もなかなか成績を上げることが出来ずに苦戦。挙句の果てには2022年に待機行動中に足を滑らせて落水をするという醜態を晒し、その動画が拡散されたことで悪い意味で話題にもなっていました。
そんな自分を変えるべく師弟関係を結んだ宮脇遼太は見る見るうちに実力を伸ばして行き一気にA級へと昇格。井上恵一の言ったことを細かくメモを取りオフの日には欠かさず練習に通い続ける努力が結果として反映されていくのでした。
そのような弟子の姿を見ている内に師匠の井上恵一の気持ちも高まったことで成績が上昇。2026年1月からの表記変更では6年振りとなるA級昇格を果たしメンタル面の変化が弟子だけはなく師匠にも大きな影響を及ぼしました。

井上恵一は熱心に練習をして言ったことを忠実に守る宮脇遼太の姿を見て「自分も若い時にこれぐらいやっておけばなぁ・・・」と感心しています。
訪れた最大のチャンス
A2級の昇格を直前に控えた2025年12月にボートレース大村で行われたミッドナイトボートレースに出場をした井上恵一。
自身のレーススタイルとは異なる超が付くほどの伸び型のプロペラとモーターを武器に初日の1走目から6コースの強烈な捲り差し勝利を決めると予選3戦を全て勝利。準優勝戦を迎えた4日目も連勝を飾ったことで9年振りの優勝を完全優勝で決めれるのか注目を集めることになりました。
| 枠番 | 選手名 | 支部 |
|---|---|---|
| 1 | 井上 恵一 | 福岡 |
| 2 | 黒野 元基 | 愛知 |
| 3 | 島村 隆幸 | 徳島 |
| 4 | 中野 希一 | 埼玉 |
| 5 | 川原 祐明 | 香川 |
| 6 | 村上 遼 | 長崎 |
56歳の井上恵一に対するのは初日ドリーム戦に選出されたA1級レーサー達と厳しい一戦となりましたが、ここは気合いのスタート、そして機力を信じた渾身の逃げが決まり見事優勝を飾りました。
意識の変化が生んだ久しぶりの優勝はかつてSG優勝へとあと一歩届かず長いトンネルに入ってしまった井上恵一にようやくの出口を与えたのでした。
井上恵一
エピソード
師弟関係
弟子
上述でも紹介した通り井上恵一には同じ福岡支部の宮脇遼太が弟子入りをしています。
井上恵一の娘が宮脇遼太と小学生時代に同級生であり新宮高等学校、福岡大学という経歴は自身と全く同じという不思議な縁で結ばれた関係となっています。

井上恵一は当初50歳を超えた自分と師弟関係を結ぶのはおかしいということで弟子入りを反対していましたが、そのことを娘に相談すると「どうしても宮脇君を弟子させてほしい」とお願いをされたことで承諾をしました。
レーススタイル
6枠の時に限りほぼ必ず前付けでコースを主張するインファイターの一面があります。
しかし2025年12月にボートレース大村にて6年振りとなる1着を6コースからの捲り差して決めたことでレース後には他の選手達からそのことをネタにされました。
井上恵一
まとめ
「ボートレースはメンタル」と言われるほど、一度落ちてしまうとそこから復活をするのは困難な競技。ましてや年齢を重ねてしまうほど大半の選手は衰えていき、いつしか「暮らしていくのに困らない」程度の走りを追い求めてしまいます。
しかし、導かれるように出会った弟子との出会いが一度はくすぶった井上恵一の気持ちを引き上げ想像もできない様な偉業を生み出すことになりました。
残されたレーサー人生はそこまで長くないかもしれませんが、これからも師弟で切磋琢磨をしながら更なる活躍を期待したです。
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