競艇では、実際にレースがスタートするまでの間に独特なフローが存在する。

これらのフローには、舟券予想の参考になる情報が見つかる事も多いので、ぜひチェックしておいて頂きたい。

レース本番までの流れ

レース本番が始まるまでの流れは、おおまかに分けるとこのような形になる。

それぞれどのような事が行われているのかについて、詳しく紹介していく。

展示航走

展示航走とは、レースに出走する選手たちがレース本番を想定したコース取り・スタートを行うデモンストレーションだ。
競艇は艇番と進入コースが異なる場合もよくある(例:6号艇が4コースに入るなど)ため、展示航走は舟券予想するにあたってチェックしておく事をオススメする。

ピットアウト

ボートスタートに目がいきがちだが、ピットアウトの時点から勝負は始まっている。ここで頭ひとつ抜けることが出来れば、より内側のコースを取る事が可能に。注意したいのが、展示では枠なりだったにも関わらず本番では内のコースを狙うケースもある点だ。優勝戦や勝負がけのレーサーが出走するレースがあれば、その点も考慮しておきたい。その逆のパターンとして、B2の新人レーサーやダッシュスタートを得意とする選手はわざわざ出遅れ気味のピットアウトで外に回ったりすることもある。

待機行動

ボート続いてコース取りに進んでいく。レーサーが勝つために「どのコースからいくか」駆け引きが行われる。インを狙うレーサーが複数いる場合などは、「深イン」と呼ばれ、スタートまでの助走距離が短くなることもある。この場合、充分な助走を取れる外の選手が有利になることも。競艇のボートには、ブレーキがなく惰性で前進してしまうため、イン有利といわれる競艇でも助走距離が短くなると、あっさり負けてしまうこともある。

スタート

ボートコース取りを終えると、スタートラインに向かって全艇が加速していく。規定の時間内にスタートを切らなければならず、そのタイミングはコンマ0.1秒単位の非常にシビアなものとなっている。規定のスタートから0.1秒でも早ければフライング(F)、1秒以上送れた場合は出遅れ(L)となり、そのレーサーは失格となる。また、一定期間内にフライングや出遅れを繰り返してしまうと、レースへの出場停止などの処分が課せられる。レースに出走することで生計を立てている選手にとって、このスタートはまさに命がけといえる。なお、展示航走でのフライング・出遅れは失格の対象ではない。あくまでレース本番だけである事をお忘れなく。

周回展示

展示航走が終わると、次に周回展示へと進んでいく。周回展示とは、モーターや旋回の調子を観客に見せるために行うものである。
この周回展示は2周行われ、直線の伸びや回り足などのタイムを測定し、予想の参考として発表される。

旋回のポイント

レース場旋回で注目するポイントとしては、「全速でターンしているか」「ボートがブレていないか」「ターンが流れていないか」「ターン後にスムーズに加速できているか」、このあたりを見てもらいたい。理想としては、全速で1マークに入り、外に膨らまないターンをして、回り終えた後から直線に入るまでにスピードが落ちていない事が望ましい。ターンのクセは選手によって異なったり、体重差のある男女でも異なる。一般的に体重の軽い女子レーサーはターンが流れやすくなる傾向がある。その分、直線では体重が軽い分、伸びるといった具合だ。

展示タイム

レース情報

周回展示が終わると、計測されたタイムの発表が始まる。タイムの中にはボートレース場によって計測されないものもあるが、展示タイムだけは統一されている。この展示タイムはバックストレッチから2マーク手前までの150mのタイムを指している。この展示タイムでは、伸びのいい選手を判別することが可能となる。展示タイムが1番早い選手が勝つとは限らないが、成績に直結しやすいため、舟券予想にあたって非常に参考となるデータである。

発売

マークシート展示航走後、投票の締切まではおよそ15~30分以内に投票締切となる。なお、展示航走前でも投票は可能なので、展示を見るまでもなく狙っているレーサーがいたり、展示を見ることで買い目に悩んでしまうようならば、先に投票を済ませておくこともありだ。

レース本番

展示航走・発売を経て、いよいよレース本番となる。1周600mを3周(1800m)を走って勝敗を決めるボートレースの流れは動画で見て頂く方がわかりやすいと思ったので、こちらを紹介しておく。ピットアウト→待機行動→スタート→1マークの攻防→2マークの攻防など、見どころ満載なボートレースに興味を持って頂けたら幸いである。