
的確なレース捌きで記念戦線で長らく活躍する一方、タイトルに後一歩手が届かない姿から「無冠の帝王」と言われてきました。
上野真之介の経歴
数々の不運と苦難を乗り越え・・・
選手情報

| 支部 | 期 |
|---|---|
| 佐賀 | 130 |
幼少期
上野真之介は佐賀県唐津市出身。
兄がインターハイにも出場する陸上選手でしたが、自身はその限界を早々に感じるようになりました。
「自分は有名な兄の弟」という葛藤は常に感じていたと当時を振り返っています。
モンキーターンをきっかけにボートの世界へ

高校1年生の時に兄がモンキーターンを持ってきたことをきっかけに「身長の低い自分でもなれるプロの世界がある」と衝撃を受けた上野真之介。
家の近くにボートレース唐津があったことから早速レースを観に行きその世界に魅了されると20歳までは自分のわがままを許してほしいと猛反対する両親の意見をシャットアウトしました。
しかし、そこから試験に2度落ちており卒業後の1年間はフリーター生活を乗り越え3度目の受験で合格し102期生として養成所に入所をしています。

高校時代はその反動ゆえ食事に制限をかけない日々が続きました。
養成所時代

後のSG、G1ウィナーが揃う102期の中で同期リーグにて勝率5.94、優出2回の記録を残し卒業。
養成所生活は思い出したくない日々だったのか「あまり言えることはない」と笑いながら振り返っています。

養成所の水面で休みの日にブルーギル釣りをしたことを聞いた丸野一樹は「ぶっちぎってるな」、「これ言っていいのかな」と苦笑いを浮かべています。
しんどいことも多かったが楽しかった事も多かったと1年間の生活を振り返っています。
峰竜太へ同期3人で入門
2008年5月にボートレース唐津でデビュー(結果は6着)
そこからわずか3か月後の8月に初勝利を挙げデビュー期から勝率3.97で102期トップの成績をマークしています。
先に師弟関係を結んでいた山田康二に続いて峰竜太にこちらも弟子入りをしており、その後高田明も弟子入り。
当時若手のホープだった峰竜太ですが、この3人の弟子入りをきっかけに後に「峰一門」が誕生していきます。
期待の若手として注目される
2010年に初優勝を達成しデビューからわずか3年でA1級へ昇格を果たした上野真之介。
当然ながら将来を期待されるようになっていき現在のトップルーキー、フレッシュルーキーの前身であるスター候補レーサーにも2013年~2014年に抜擢されています。
その期待通り2013年にG1初優出を達成。
タイトル獲得に時間はかからないだろうと当時誰もが思っていたことでしょう・・・。
SGの舞台へ
2018年グランプリシリーズにてSG初出場を果たすと翌年以降はSGの常連選手として超一流の舞台へと駒を進めて行きます。
2019年ボートレースオールスターで初勝利を挙げると2020年にはグランドチャンピオンで初優出(2着)と奮闘。
しかしSG、G1、更にはG2と数々のレースで予選突破や優勝戦進出を果たしながらも優勝という結果だけがついて来ない日々がこれ以降続いてきます。

いわゆる一般戦の鬼と呼ばれる選手と異なりSG、G1戦線でも結果を出しながら優勝だけが出来ないボートレース界でも非常に稀なタイプの選手でした。
不運が重なった初優勝のチャンス
2024年12月ボートレース三国で行われた北陸艇王決定戦にて予選トップを果たした上野真之介は準優勝戦を逃げ切り1号艇を獲得。
10度目の優勝戦進出は初の1号艇ということもあり遂にG1タイトル獲得か?とファンからも注目を集めることになります。
しかし迎えた優勝戦でまさかの不運に巻き込まれます。
このレースで「正規」のトップスタートを決めたのは1号艇の上野真之介(0.03秒)でしたが、4号艇の金子拓矢が0.01秒のフライングを犯します。
更にここから隣の毒島誠を叩く形で内へと仕掛けてきたため上野真之介が叩かれこの内を突いた2号艇の下出卓矢の差しが炸裂。
「ここでスタートを行かないと、何のために選手やってるのか分からんですから。回転も本番でちょうど良かったです。今までダメだった回し方で良かったのが大きい。気持ちはドリームに乗せてもらった時から入れています。明日(優勝戦)だけでも僕を応援してください!」
強い言葉で決意表明を述べ挑んだ優勝戦はその言葉通り満点のスタートを決めただけにこの結果はあまりにも不遇でした。
無冠の帝王奪還へ
絶好のチャンスから1年4か月後の2026年4月に再びチャンスが到来します。
ボートレース福岡で行われた福岡チャンピオンカップにて再び予選トップ通過を決め優勝戦1号艇を獲得。
優勝候補と期待された選手達が脱落し相手関係にも恵まれ後は自分との戦いを制するか否かの大一番を迎えます。
絶好枠から逃げようとしたところにセンター勢が攻めを狙うもそれをブロック。
やや外に膨れこそしましたがそこからの直線の鋭い脚で逃げ切りを決め遂にG1を優勝。
レース後の勝利者インタビューでは「これで恩返しと思ってこれからも頑張ります」とこれまで何度も期待に応えられなかったファンへの謝罪と感謝の言葉を述べました。

この日の10Rに行われた選抜戦では末永和也が勝利。
優勝戦に共に進みたいと語りながらもそれを逃した弟子が師匠に対して見事なお膳立てを決めました。
上野真之介 エピソード
師弟関係
師匠

師匠は佐賀支部の峰竜太。
派手なパフォーマンスや魅せるレースが得意な師匠とは対照的に上野真之介は派手さはありませんが堅実さが取り柄と両者のスタイルは対照的。
師匠について聞かれた上野真之介は以下のように回答をしてます。
「分は大した選手じゃないんですよ。峰さんのおかげです。人の見ていないところですごく努力していて…。この人が賞金王になれなかったら、どこまでやればいいのかってくらい。
今はあまりそういうところを見せないけど、いい時期に弟子になって、そういうのを見られたと思います
常にトップを目指し、日々進化を続けることを怠らない師匠の姿を見て自分自身も後輩への接し方や振舞いを強く意識するようになりました。
弟子

弟子は同じ佐賀支部の末永和也。
末永和也のデビュー節時に峰竜太から師匠をこの節間中に決めろと言われ「上野さんがいいかなぁ・・・」とぼんやり考えていると最終日後の打ち上げで峰竜太より「師匠は真之介でいいよな?」と提案されました。
ただし上野真之介自身は弟子を持つことに対して否定的であり、峰竜太からの命令が無ければまずやりたくなかったことを明かしています。
才能溢れる末永和也を育てきれなかったら師匠である自分に責任があると強い覚悟を持ち末永和也の自主性を優先しながらアドバイスや助言を送り続けると見事に成長。
2025年にはボートレースダービーでSG初制覇を成し遂げ、レース後には2人でさわやかに握手。
しかしこのSG獲得の裏でレース直前まで弟子の姿を見つけていた上野真之介は同時にこのような心境があったと語っています。
(自身はG1もSGも優勝したことが無いため)気持ちを全て分かってやれないから。
でも、誰も気付いてない努力も僕は知っている。結果が出るのが一番だけど、頑張れとは言えないです。
今日も(レース前は)辛そうでした。
タイトル獲得への意欲が薄いと言われ続けてきた上野真之介の心境を変えたのは弟子の末永和也の存在が大きいと言えるでしょう。
副業
| 店舗名 | BAR"course" |
| 所在地 | 佐賀県唐津市原1173−1-2F |
| 電話番号 | 070-9141-6052(月・第1・3木曜 定休日) |
| 営業時間 | 20:00〜LAST |
2024年より佐賀県唐津市に「BAR"course"」を開業。
ボートレース場を意識したデザインや隠れ家的なコンセプトを売りにしています。
趣味
ゲーム
上野真之介 まとめ
幾度となく訪れたチャンスを逃し、それでも折れることなく走り続けてきた上野真之介。
「無冠の帝王」と呼ばれた日々は決して無駄ではなく、そのすべてが今回のG1制覇へと繋がっていました。
悲願のタイトルを手にした今、背負っていた重圧から解き放たれたことで、その実力はさらに解き放たれていくはずです。
ここから先は“挑戦者”ではなく“王者”として、ボートレース界の中心でどのような走りを見せていくのか。
上野真之介の新たな物語は、まだ始まったばかりです。
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