ボートレーサーが衰える理由～選手を苦しめる悪循環～

2025年10月15日

長年トップで活躍してきたボートレーサーが衰える理由とは一体どこにあるのか？

ターン、プロペラ、怪我・・・それらが生み出してしまう悪循環こそ活躍し続けたボートレーサーの輝きを失せてしまうことも珍しくありません。

どんな選手にもいつかは起こる衰えの現実を今回は見ていきましょう。

ボートレースでは、旋回性能＝勝負の要です。コーナーを速く正確に回れるかどうかが、勝敗を左右します。

しかし、加齢や怪我による筋力・反応速度の低下は、ターン初動の遅れこそ衰える最大の理由として考えられます。これにより艇の姿勢が安定せず、理想の旋回ラインを外れて加速ロスが発生します。さらにターン後の立ち上がりで遅れると、イン有利の展開を崩されることもあります。

若い選手ほどロスが無く全速で旋回をする技術、トレーニングを重ねてきているため、ベテラン特有のスピードを落としての的確なターンでは簡単に通用しにくくなっているのもこれに拍車をかけています。

ボートの推進力を生むプロペラ（ペラ）は、選手にとって命とも言える存在です。ペラのわずかな角度・厚み・曲げ具合の違いで、艇の走りが大きく変わります。

しかし同じプロペラであってもその時代ごとに合う形、ブームが存在しておりその流れについて行けなかったり、自分の形を頑固に貫く選手というのは成績が落ちてしまい、衰える理由の1つとなります。

長年レースに出場していると、肩や腰、手首などへの負担が蓄積します。

怪我が癒えても完全に元通りの動きができないケースも多く、満足なパフォーマンスを発揮できなくなることがあります。プロペラを叩く際の細かな調整動作にも影響が出てしまうのです。

ボートレーサーが衰える理由が重なることで次のような負のループが存在します。

フェーズ	説明
① ターン性能の低下	筋力・反応速度・体幹バランスが衰え、旋回スピードが落ちる。
② 降級で斡旋の変化	斡旋数の減少、記念戦線からの離脱で活躍の場が減少。
③ プロペラへの迷い	自分の形が通用せず試行錯誤を開始も自分の形を見失う。
④ 自信喪失・焦り	調整を重ねても結果が出ず、メンタルが揺らぐ。
⑤ 気持ちが切れる	引退を考えるため、モチベーションを失う。

このサイクルに入ると、好調時の感覚を取り戻すのが非常に難しくなります。