元々は強面で感情を表に出さないイメージの強い選手でしたがポンコツ会との関わり、そしてファンへの対応から最近ではイメージが一変。それに伴い人気も急上昇を果たしました。
ボートレーサーを目指した経緯、数々の弟子達とのエピソード、そしてトレードマークに隠された意味・・・人間味溢れる森高一真のこれまでを振り返っていきましょう。
森高一真
これまで
選手情報
| 支部 | 期 |
|---|---|
| 香川 | 85 |
ボートレーサーを目指すきっかけ
ボートレース好きだった祖父の影響で幼少期から共にレース場に通っていた森高一真は高校生の頃に選手毎の賞金を意識するようになり「俺にはこれしかない」と決意。
そこから養成所試験合格までは4度の受験と時間を要しましたが、結果として85期生として養成所に入ったことは後の森高一真の運命を大きく変える出来事へとなっていきました。
スピード出世
森高一真を含め数々のSG、G1レーサーが誕生する85期生。その活躍から後に衝撃を与えることになることになりますが、当然この時は誰もそのようなことは考えていなかったことでしょう。
養成所チャンプの座こそ田村隆信に譲るも森高一真も養成所時代からは高い成績を残しており、1999年11月11日にボートレース鳴門でデビューを飾ると、それからわずか2日後の11月13日にデビュー4戦目にして初勝利を達成。
デビュー期から8勝をマークし勝率4.75という成績を記録すると3期目にして早くもA級に昇格。初昇格以降B級落ちは一度も無いまま20年以上に渡りその座を守り続けています。
当時は持ちペラ制度、エンジンの出力、進入のルールの違い等で今よりも新人から勝てる環境だったとはいえこの初勝利は早いです。
「銀河系軍団」
85期生がボートレース界を牽引！
2004年に年間で5度の優勝を達成したことで翌2005年にボートレースクラシックでSG初出場を達成。同年にはボートレース宮島の記念を制し嬉しいG1優勝も成し遂げています。
この頃から85期生の選手達は「銀河系軍団」と呼ばれるようになり艇界を牽引。森高一真の他にも田村隆信、湯川浩司、井口佳典、田口節子、丸岡正典などG1優勝歴がある選手が8人おりこの内の5人はSGも優勝をしています。
銀河系軍団の由来は当時最強集団と恐れられたスペインのサッカーチーム「レアルマドリード」の愛称。
山本隆幸が「85期が艇界を引っ張って行く！」と自ら作ったTシャツに「銀河系軍団」とデザインしたことが始まりとなっています。
森高一真SG初優勝達成
しかしグランプリには・・・
2013年11月にボートレース津で行われたチャレンジカップにて待望のSG初優勝を達成。
当時はグランプリ出場ラインが賞金ランキング12位までだったことからこの優勝で13位だった森高はSGを優勝しながらグランプリには出場が出来ないという不運に見舞われますが、デビューから苦節15年目にしてのSG制覇への喜びが強く優勝後には師匠の出晴政信、そして尊敬する安岐真人への感謝の気持ちを述べました。
優勝してもグランプリに向けて賞金が足りないことはレース前から自覚していたため悔いなく走ることだけを考えていたらしくこれからの活躍を誓いました。
晩年を迎え人気急上昇
森高一真4つの逸話
SG優勝以降も何度かG1を優勝しつつA1級の座をキープしながら香川支部の看板選手として活躍をしていた森高一真ですが、特徴的ともいえる強面と厳しい口調からファンの間でも「怖い選手」というイメージが最も定着していました。
その森高一真のイメージを180度変えることになったのが西山貴浩が率いるポンコツ会との関わりでした。
これまで無理やり作っていた寡黙なイメージ破り捨てたことで晩年を迎えたタイミングで世代を問わず人気が上昇していきました。
ここからは人間味溢れる話をいくつか紹介していきます。
森高一真のここが凄い①
人命救助
2022年に西山貴浩、大庭元明の福岡支部の両者と共に福岡支部の元選手の自宅に引退をねぎらう挨拶に向かった際、交通事故に遭遇。
慌てて車を降りた3人は交通整備、救急車の要請と二次被害が出ないよう迅速に活動をしたことが高く評価され後日、福岡県若松市から感謝状が授与されました。
この際に西山貴浩は当時の森高一真について「血まみれになりながらばあちゃーんと叫んでました」と事故により意識が朦朧としている負傷者へ必死に呼びかけていたと振り返っています。
森高一真のここが凄い②
サプライズ訪問
西山貴浩を通じて知り合った愛知支部の仲道大輔から自身の祖母の体調が悪いと聞きつけると愛知県の自宅にかけつけサプライズ訪問を行いました。
支部も違えば自宅からも距離が離れた相手の自宅へすぐにかけつける漢気溢れるこの行動にさすがの仲道大輔も驚いたそうです。
森高一真のここが凄い③
うづきちゃん
2023年ボートレース若松G1レースにて大時計の近くで応援する女の子のファンに気づいた森高一真。
レース後の公開インタビューでその子を見つけると「お嬢さんのために走った」と言い名前を聞くとサインパネルにも「うづきちゃん♡」と記載。
それから1年後の再び若松のG1で勝利をした森高一真は勝利者インタビューで真っ先にうづきちゃんを見つけ「うづきちゃん久しぶり！応援があったからやったよ！」としっかり覚えていました。
森高一真のここが凄い④
君のハートに捲りざし
2024年児島のG1で勝利をした森高一真はここでも公開インタビューに訪れた小学生の子供を見つけ「今節はキミのために走る！」と宣言をしサインパネルには「ハートに捲り差し」とコメント。
森高一真から指名をされた野上爽心君は父親に連れられてきたボートレース児島で思わぬ体験をすることとなり当日取材を受け「うれしいです！」と振り返っています。
2025年に森高一真がマスターズグランプリを優勝後、どこから見つけてきたのかもわからない若かりし頃の森高一真の写真と「君のハートに捲りざし」と記載したTシャツを西山貴浩らポンコツ会のメンバーが着用。
これらのデザイン、製作を担当しているのは片岡雅裕の妻であり、以前にも森高一真の顔がデザインされたパンツを大量に製作。
SG、G1などのオープニングセレモニーでファンに投げ込まれたことでも話題となりましたが、片岡雅裕が浮気を行わせないために製作したと言われています。
森高名人誕生
マスターズリーグ制覇
2025年、45歳以上の選手が出場をするマスターズチャンピオンを制覇。
かつての名人戦時代と異なり出場をする選手達も現役SG、G1クラスの選手達が集う中で久しぶりのビックタイトルを勝ち取りました。
レース後には「まだマスターズと言われてもピンとこないんですけど・・・」と出場年齢が引き下げられた現在の制度での優勝に戸惑いながらも「まだおっさんではないんで」という指摘したら負けのような謎言を残しました。
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森高一真
エピソード
熱血指導で若手を育成
支部の選手達を均等な目で見て育てたいという考えからかつては弟子を取らず練習に足を運んで支部の若手選手を指導していました。
その森高一真が初めて採用した弟子が原村拓也であり当時4期通算の成績不足で引退の危機にあった原村拓也に対して「俺が面倒みるから弟子になれ」と自ら提案。この業界では珍しい先輩の方から弟子を取る形となりました。
この他にも高校の同級生の息子で父親から弟子入りをお願いされた冨田祥（2025年 事故点オーバーで引退）と森高一真のレースへの考え方、意識に憧れ弟子入りをお願いされた谷口佳蓮を採用しています。
「勝たなあかん、じゃなくて『勝ってやれ』と思ってレースに臨め」と弟子達にはボートレーサーとしての精神的な部分の考え方を伝授しています。
森高一真は「自分は、お客さんの勝負の駒でいい」という考え方の持ち主であり、舟券を買ってもらっているファンの期待に応えるためには中途半端や妥協を許さない。
手を抜いたり、妥協をすることを何よりも嫌っており自分が活躍するよりも自分を追い抜く若手選手の台頭を常々口にしています。
ポンコツ会の加入有無
ポンコツ会のトークショーはもちろんポンコツ会加入選手だけのドリーム戦にも選出されている森高一真ですがその加入自体は何度も否定。
「自分はポンコツではない」、「迷惑やな」を表向きではコメントをしつつも西山貴浩と同様にファンを楽しませる、盛り上げるためなら何でもやるという考えは一致。
スケジュールさえ都合が付けば依頼されたイベントは全て出演をする意向を示しています。
世間にバレる前から面白かった？
森高一真がまだ寡黙なキャラを貫いていた2019年にサンテレビ放送されている情報番組「ボートの時間！」に湯川浩司の休日に密着した際に巨大うきわをつけて登場。
同期の湯川浩司にボートで引きずり回され水上で大回転をしながら最後は放り出される場面が放送され、プライベートでの思わぬ一面が垣間見えた瞬間となりました。
強面の真相
森高一真と言えば短髪（時にパンチパーマ）にトレンドマークの口髭と艇界きっての強面フェイスの選手として浸透をしていますが、これは香川支部のレジェンドである安岐真人を尊敬し始めました。
「尊敬する選手に近づくためにはどうすれば良いか？」と考えまずは外見の特徴を真似しようと始めたものですが、その本家である安岐真人もなかなかの強面です。
森高一真
まとめ
一時期と比べ「女子大国」のイメージを脱却しつつある香川支部ですが、「自身を超える存在」が出てくるのはいつになるのか？
それを待ち望んでいるのは間違いなく森高一真本人なのでしょう。
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