2024年後期勝負駆けの選手たち

2024年後期勝負駆けの選手たち

選手たちの活躍の場を決める来期の等級審査機関がいよいよ終盤に突入してきました。

今回は2025年よりA1級に昇格が期待されるレーサーから逆に降格が確定、危機に陥ってるレーサー、そして4期通算を理由に強制での現役引退が囁かれているレーサーを紹介していきます。

 

躍動する129期トリオ

前期は仲道大輔、飛田江己、そして今年の最優秀新人がほぼ確定している藤原碧生など多くの男性若手レーサーがA1級昇格を果たしました。

今期はそんな藤原と同じ129期生の活躍が目立っており更なるA1級レーサー誕生が注目されています。

西岡顕心(5224)

支部 勝率(9月20日時点)
香川 6.63

まず最初に紹介するのは129期の養成所チャンプとして2021年11月にデビューをした西岡。

デビュー節で2度の舟券絡みを決めるなど早くからその素質の高さが注目されていました。

初勝利は2022年12月と意外に時間を要しましたが着実に成績を上げ続け今年5月に嬉しい初優勝を挙げました。

A1級昇格基準である6.20の勝率を現状は軽々と超えており飛び級でのA1級昇格へ向けてラストスパートを駆け抜けます。

斡旋予定

開催日 レース名
9/22~9/26 創刊70周年記念中日スポーツ賞 大村
10/12~10/17 G3 第14回琴参バスカップ 丸亀
10/28~10/31 第9回楽天銀行杯 唐津

藤田俊祐(5226)

支部 勝率(9月20日時点)
東京 6.29

2人目に紹介する藤田は2021年11月にデビュー。若手が育たない支部という悪いイメージがなかなか消えない東京支部ですが同期の若林樹蘭と共に支部のイメージを払拭するべく活躍中。

※若林は9月20日時点で勝率6.08とA1級昇格の当落線上

本来であれば今期をA1級で迎える事も期待されていた選手ですが昨年11月のレース中の事故で4ヶ月の休養を余儀なくされ出走回数不足でA2級の昇格も逃してしまいました。

現在も痛みを抱えながらの戦いが続いていますが怪我をきっかけに習得したウイリーターンを武器に勝率を上昇させ9月にはPG1ヤングダービーにも選出。

ヤングダービー終了後に30日間のフライング休みを挟むため残された10月26日から10月31日までの一般戦は全レースが勝負駆けの対象となります。

斡旋予定

開催日 レース名
10/26~10/31 にっぽん未来プロジェクト競走 徳山

青木蓮(5220)

支部 勝率(9月20日時点)
埼玉 6.20

最後に紹介する青木は関東の中でも若手の活躍が目立つ埼玉支部の一員で2021年11月にデビュー。

前期の勝率は4.70と実力と癖の強い若手レーサーが多い支部ゆえに決して目立っていませんでしたが今期見事なまでの覚醒で飛び級でのA1級昇格が目の前にやってきました。

6月には自身2度目となる優勝戦に進出し初優勝を地元であるボートレース戸田の水面で飾るとレース後のセレモニーでは救助艇で大粒の涙を流し喜ぶ姿がSNSでも話題になりました。

なお9月のレース中にフライングを切った関係で次節終了後に30日間のフライング休みに突入。そのため「昇格基準である90走までの残り8走を消化+A1級昇格基準の勝率を超える」という条件付きの選手。

両方を達成した場合のみ飛び級でのA1級昇格、それ以外だとA2級昇格となります。

斡旋予定

開催日 レース名
10/8~10/14 スポーツ報知杯 大村

 

大怪我を乗り越え待望のA1級昇格へ

前田紗希(4845)

支部 勝率(9月20日時点)
埼玉 6.59

知名度、実力を考えると2015年のデビュー以来A1級昇格が意外にも無い前田。思い切りが良すぎるスタートからフライングを量産することが長年の課題でした。

そんな前田が選手生命、そして命の危機に瀕したのが2023年7月。ボートレース住之江のレース中の事故で頭部をハンドルにぶつけ顔面を骨折。病院へ搬送されると緊急手術を行い一時はICU(集中治療室)から出られない状況となりました(父であり現在もボートレーサーとして活躍する前田光昭も同年に住之江で事故を起こし高次脳機能障害を患っている)

その後3ヶ月の休養を挟み復帰を果たした前田はそれまで以上の活躍で見事に復活。2024年6月には因縁の地であるボートレース住之江で自身2度目の優勝を飾りレース後のインタビューでは事故の後に引退を考えていたことも明かしました。

選手としての活躍はもちろん「世の中の信用が失われつつあるボートレース界を盛り上げなおかつ、世に貢献できるこのプロジェクト」として2020年以降は「TUGBOAT」の代表としてグッズ販売、子ども食堂、自然災害への寄付金など全国支部を問わず女子レーサー達と共に活動もしています。

9月11日より30日間のフライング休みに突入をしており10月17日の一般戦で復帰を予定。この節間の後にもう1節追加される可能性はありますが大きな事故や成績急落が無い限りは来期A1級への昇格はほぼ確実となっています。

斡旋予定

開催日 レース名
10/17~10/21 第19回 日刊ゲンダイ杯 多摩川

養成所時代のライバルが揃ってA1級へ

清水愛海(5163)

支部 勝率(9月20日時点)
山口 6.44

養成所時代に華々しい活躍を収めスーパールーキーとしてメディアからも高い注目を集めた清水が待望のA1級昇格を間近に控えています。

2020年11月のデビュー以来、幾度となく当サイトでも紹介をしてきた「10年に一度の逸材」ながらフライング、転覆などとにかく事故が多いことから実力を出し切れないもどかしい日々が続きました。

それでも今期は審査期間中に20勝を挙げたり、2022年のクイーンズクライマックスシリーズでの敗退以降トラウマとなっていたイン戦の克服にも成功し勝率を大幅に向上。この後に紹介する養成所時代のもう1人の女子レーサーと比べると勝率ほど活躍した印象がない点は引っかかりますがデビュー2年目時の勢いのある頃の清水が戻ってきました。

9月24日より30日間のフライング休みを挟み復帰予定が10月31日ということで出走回数、勝率の基準を共に満たし来期からのA1級昇格がほぼ確定。あとは残っている2日間でフライングを切って来期に響かないことだけを祈るのみです。

斡旋予定

開催日 レース名
10/30~11/2 日刊スポーツ杯 下関

※等級審査期間対象は10月31日までのレース

川井萌(5173)

支部 勝率(9月20日時点)
静岡 6.30

清水と同じ127期生でデビュー時からコンスタントに成績を伸ばしてきた川井もいよいよA1級の仲間入りが秒読みとなってきました。

前期はA2級昇格を決めこのまま行くと思われた2024年2月にボートレース児島のレディースの準優勝戦で痛恨のフライング失格。これによりフライング休み明けから3ヶ月間の女子戦への斡旋が停止となりG2レディースオールスターや、PG1レディースチャンピオンへの出走も叶うことなくわずか1期でのB1級への再度の降格。

このままズルズルとA2級とB1級を行き来する女子レーサーで終わると思われた今期でしたが夏場以降に覚醒。静岡支部のトップレーサーが集結した地元のお盆開催「中日スポーツ後援 湖西市長杯争奪戦 黒潮杯」で女子レーサー唯一の予選突破を決めるなど節間中は台風の目として激走を連発。そして迎えた次節の「G3 オールレディース 静岡クラウンメロン杯」では嬉しい地元初優勝を飾りました。

9月に入るとA1級の基準とも言われる勝率6.20を突破し残り1カ月でどこまで勝率を伸ばせるのか楽しみな状態となっています。

師匠の吉村誠に「僕なんか超えていく。静岡支部の宝です」と言わせるほどの逸材が長嶋、三浦で長らく続いた静岡支部女子2強を崩す日もそう遠くないのかもしれません。

斡旋予定

開催日 レース名
10/12~10/17 日本財団会長杯 浜名湖
10/26~10/31 ヴィーナスシリーズ第16戦 尼崎

 

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的中実績

日時 2024年 12月2日
レース数 三国8R
結果 1-4-3
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的中実績

日時 2024年 11月29日
レース数 平和島8R
結果 6-3-1
倍率 131.2倍

 

A2級以下へ降格が確定・噂される選手

ここからはA1級として長らく活躍をしながらも様々な理由から降格が決定、危機に陥っている選手を紹介。

若手レーサーの活躍が目立つ近年のボートレース業界ですが降格該当選手には意外な名前も・・・。

濱野谷憲吾(3721)

支部 勝率(9月20日時点)
東京 6.82

まず来期降格候補1番の大物は東京支部の濱野谷です。

レース数カ月前に斡旋が決定するSG、G1を主戦としている選手ゆえ前期該当の3月、4月に犯した2本のフライング休みを消化することなく5月のSGボートレースオールスター後に3ヶ月間のフライング休みに突入。8月の復帰以降も全国各地の記念レースで安定した走りを披露し勝率については問題はありませんがA1級の条件である90走を消化出来るのか微妙なライン。

9月20日時点で50走を消化しており現在斡旋が予定のレースはG1 3節(1節は初日のみ該当)、SG 1節と全てを完走しても約10走が足りない状況。

幸い10月8日のG1浜名湖賞終了後から10月22日のSGボートレースダービーまでの空白期間に一般戦の斡旋が入れれば出走回数を満たせる可能性は残していますが超強行軍となるためどのような判断を下すのか注目されています。

斡旋予定

開催日 レース名
9/24~9/29 G1 徳山クラウン争奪戦 徳山
10/3~10/8 G1 浜名湖賞 浜名湖
10/22~10/27 SG ボートレースダービー 戸田
10/31~11/5 G1 多摩川ウェイキーカップ 多摩川

※等級審査期間対象は10月31日までのレース

田村隆信(3721)

支部 勝率(9月20日時点)
徳島 5.87

SGで3回、G1で16回の優勝を誇り銀河系軍団と呼ばれる85期生1人して艇界、徳島支部を長年牽引してきた田村が長らく守り続けたA1級から降格濃厚となっています。

気になる点は何といっても枠番別の勝利数で今期9月20日時点で20勝を記録もその内の16勝が1コースによるものであり残りの4勝の内訳は3コース1勝、4コース2勝、6コースが1勝とインコース以外で勝ち切れないレースが続き9月にはボートレース平和島の一般戦へ斡旋され転覆失格、予選落ちと現状の苦しさが垣間見える節間でした。

審査期間終了間際の10月に入ると今期は少なかったG1とG2の斡旋で埋め尽くされており数字を上げるどころか下げる恐れも・・・。

2016年に一度出走回数不足でA2級に降格をしたことはありますが勝率5点台で今期を終えた場合は2001年以来と徳島のエースの厳しい戦いが続いています。

斡旋予定

開催日 レース名
9/24~9/29 G1 徳山クラウン争奪戦 徳山
10/3~10/8 G1 浜名湖賞 浜名湖
10/15~10/20 G2 秩父宮妃記念杯 びわこ

丸岡正典(4042)

支部 勝率(9月20日時点)
大阪 5.92

田村と同じ85期の丸岡も約20年ぶりのA1級からの降格の危機。

2008年、2012年と2度のSGボートレースダービー制覇を成し遂げたレジェンドも近況は一般戦をメインに安定した成績を挙げていましたが今期は良い時と悪い時のムラが激しくオール大阪支部のお盆開催「大阪ダービー 摂河泉競走」では初日に妨害失格処分を受けそのまま帰郷と得意の地元戦でも見せ場以前の状況・・・。

田村と同じく10月からはG1レースの斡旋が続き勝率アップが厳しいことが想定されます。

斡旋予定

開催日 レース名
9/24~9/29 G1 徳山クラウン争奪戦 徳山
10/3~10/8 G1 浜名湖賞 浜名湖
10/12~10/17 G3 第14回琴参バスカップ 丸亀
10/23~10/26 新東通信杯 三国

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4期通算で引退危機

最後に今期の勝率次第でボートレース界を強制的に去ることが決定してしまう選手を見ていきます。

マイケル田代(4929)

支部 勝率(9月20日時点)
東京 3.33

2024年9月現在で唯一の外国籍のボートレーサーであるマイケルが今期をもって4期通算での引退が確定しています。

これまでも何度か4期通算と8項(成績不振による強制斡旋停止)の危機を乗り越えながら選手を続けてきましたが現役続行へ向けて勝負駆けだった今期も勝率を上げることなく終盤に突入。

10月には通算111勝の内の46勝を挙げている得意のボートレース江戸川を予定。満足の行く走りをファンに見せる事が出来るでしょうか?

追記

4期通算対象以降でも表記変更の前日である12月31日までは現役を引退しなければ斡旋は受けることが出来る。

そのため「ボートレース江戸川へ1度は斡旋受けてここが最後の顔見世になる」とファンの中では囁かれていたのだが、肝心のボートレース江戸川が大規模な火災を起こしてしまいレース開催自体が出来ない状況となってしまった。

斡旋予定

開催日 レース名
9/30~10/5 ヴィーナスシリーズ第14戦
10/7~10/10 第48回報知新聞社杯 江戸川

本部めぐみ(4993)

支部 勝率(9月20日時点)
三重 3.85

2003年にG1女子王座決定戦(現レディースチャンピオン)を当時24歳で優勝した本部が今期4期通算の瀬戸際に立たされています。

捲り姫の愛称でも知られる高田ひかるやその妹弟子の山下夏鈴の師匠として自らの後継者作りに貢献をした一方2013年以降は優勝から遠ざかっており年々勝率も低下。

前期、今期と4期通算の基準である勝率3.80は突破しているもののそれ以前の2期で記録した分の借金返済が残っており現役続行のためには勝率の上積みが条件も今期予定されている斡旋は残り1節と現状かなり厳しい状況です。

追記

この節間で前付け、強引なコース取りによる審判団から注意が入るなど物議を醸したが4期通算ボーダーを超えることに成功する。

斡旋予定

開催日 レース名
9/26~10/1 ヴィーナスシリーズ第14戦

 

まとめ

管理人・K管理人・K

更なる高みを目指す者、若手の勢いに押され山の下へと振り落される者、そして志半ばでボートレーサーという職業自体を剥奪される者・・・期末が近づくこの時期は選手それぞれの厳しい戦いがそれぞれに待ち構えています。

これ以外にも数多くの選手たちが自身の立場を賭けた戦いを繰り広げています。是非そんな選手たちの活躍を最後の最後まで見届けていきましょう。

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