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今回のコラムは、西川 昌希 著「競艇と暴力団「八百長レーサー」の告白」についての書評だ。

学生時代の驚きの過去、八百長に手を染めるまでの経緯や当時の思い、そして、そんな彼がボートレーサーとして一時はA1レーサーまで登り詰めながら没落していった背景とは・・・?

なお、本の中には八百長協力者、競艇組合との意見の相違などについても多く触れているが、自己弁護があまりに強いためこの点については触れることなく紹介をしていきたいと思う。

 

出版物・人物紹介

出版物

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タイトル:競艇と暴力団 「八百長レーサー」の告白
著者:西川 昌希(にしかわ まさき)
出版社:宝島社
サイズ・ページ:四六判・256ページ
発売日:2020.11.02
価格:本体1,600円+税
ISBN:78-4-299-01048-3

ボートレース選手として一時はA1選手まで登り詰めながら2019年に引退。そして2020年1月に八百長行為関与で逮捕、実刑判決を受けた本人が全貌を語った。「子供のころは、大きくなったら自分はヤクザになると思っていた」と語る少年時代の境遇、八百長に手を染めることになったきっかけ、そしてその驚きの手口などを本人が赤裸々に告白した衝撃作。著者は迷惑をかけたファン、関係者への懺悔と不正の末路を示す「教訓の書」とも語る。

 

西川 昌希 とは

西川 昌希(にしかわ まさき)

1990年2月26日 三重県津市生まれ。

その特殊な家庭事情もあり学生時代から多くの悪事を働き高校卒業後の進路として「楽して稼ぎたい」という理由からボートレーサー試験を受け1発合格で養成学校へ入学。第104期生 登録番号4559として2009年5月1日にボートレース津にて6号艇よりデビューも転覆失格。同年7月19日にボートレース戸田で初勝利、水神祭を飾った。

その後2014年にG1初出走、2015年にはSG選出、初勝利を記録するなど活躍し通算11年の現役生活で通算488勝、12度の優勝を記録も2019年9月30日に引退を発表。

2020年1月、親族関係者を対象にした行為敗戦(八百長行為)の情報を流しその見返り金として多額の資金を受け取っていたことが明らかとなり逮捕。その後の調査により20レース近くに渡り八百長行為が行なわれ賄賂とし約3700万円に及ぶ大金を受け取っていたことも発覚し再逮捕の運びとなる。

初公判から7ヶ月が過ぎた2020年10月21日、名古屋地裁は懲役3年、執行猶予なしの実刑判決を言い渡した。

 

本の目次とその概要

1章 逮捕

国税局が自宅へ!引退から逮捕までの空白の3ヶ月を本人が激白

2章 弘道会紙谷一家

弘道会の親戚の下で育った少年時代の驚きの過去

3章 八百長

レーサーとして活躍していた彼が八百長に手を染めたその理由や手段

4章 黒い水面

更に進化した八百長の手段とその方法に酔いしれる心情とは?

5章 転覆

思わぬ理由から事件が明るみに。そのとき彼は?

6章 法廷

育ての親の裏切り。検事とのやり取りの実録

 

西川 昌希の過去

暴力団の息子として生きた学生時代

幼少期に両親が離婚した彼だが母親との生活に馴染めなかった彼は暴力団組織の幹部だった母方の親戚に引き取られる。何不自由の無い生活と後ろ盾から中学時代からパチンコ、競輪、更には暴力団関係者がはびかう裏カジノにまで手を染めワルは全て行なうほどの人間だったとか。

そんな彼の人生が変わったのは彼が中学3年生のときだった・・・

 

育ての親の逮捕

2005年3月に同じ組の若頭の射殺関与、計画者として育ての親が逮捕されると引き取り手の無い彼は実の母親の元へ戻ることになる。「子供のころは、大きくなったら自分はヤクザになると思っていた」とまで考えていた彼は途方に暮れ、理由も無く県内屈指のワルが集まる高校に入学することになる。

入学数ヶ月で50人以上が辞めていく、校内での煙草、喧嘩は当たり前で警察が校内に入ることは日常茶飯事の学校内で彼は3年間を飄々と過ごしていたらしい。

 

ボートーレーサーを目指そうと思ったその驚きの理由と隠れた素質

そんな彼だが高校卒業を迎えるにあたり、進路として「少しでも楽に儲かりたい」という思いからボートレーサー試験を受けることを志す。

現在トップレーサーとして活躍する選手でも中には不合格経験のある難関試験を軽い気持ちながら1発合格したということからボートレーサーとしての素質だけは高かったのかもしれない

養成学校時代も決して意欲は高くないことから何度も退学危機に陥りながら「西川は腕は良い」という教官からの評価もあり入学後に半数が消える厳しい環境を1年間戦い抜いた。

特殊な環境で育ったゆえか、「楽な暮らしをしたい」「金を稼げるなら手段は問わない」という思いだけは強く養成学校卒業時には「カネを稼ぎたい」という目標を書いたことからも勝負根性だけは高かったのだろう。

その後の人生についても様々に本の中では触れられているが、彼がデビューからもっと意欲を高く持ち努力を怠ることなく励んでいたらまた違った人生を歩んでいたのかもしれない・・・

 

八百長に手を染めていた彼の当時の思い

アカデミー賞ばり演技に自画自賛

現役晩年の数年をとあるきっかけ(詳しくは実際に本を購入して読んでくれ)から八百長行為三昧で過ごす彼だが当時どのような思いで行なっていたかをまとめてみた。

「水上のアカデミー賞を目指すべく、八百長行為に向って突き進んでいた」

「八百長をする際にいつしか4着以下になることをぶっ飛び、1着にならず2着~3着になることを仕事というようになった」

「自分でやると提案したことを、鮮やかに実現するということにやりがいを感じていた」

他にも様々な発言の数々や、その驚きの手段、資金獲得の裏側について赤裸々に語っているのだが、その意欲をなぜもっと1人の選手として生かすことが出来なかったのだろうか?と読みながら何度も感じてしまった

 

まとめ

この他にも語りたいことは多くあるが詳しくは本を実際に手に取り全貌を知ってほしいと思う。

一読者としてこれを読み終わって最初に思ったのは懺悔の気持ちを伝えるというのは表向きの理由であり、本音は自分自身が行なってきた八百長行為の凄さを語る武勇伝アピールという不快感だった。

「暴力団の息子として育った環境が俺を悪くした」「ボートレース業界の体質が悪いから自分の悪事がばれないような環境を作れた」「自分以外にもこのようなことをしている」など常に自分がやってきた過ちを反省するというよりは別のものを批判する姿勢ばかりでボートレース選手として業界全体に迷惑をかけたへの反省の気持ちは心の底では恐らく感じていないのだろう。

実際にこの本を読んだ読者のSNSでの声を見ると「艇会は信頼してないし舟券も買わない」「ボートの隠蔽体質は異常」などという声も見られる。しかし、本を読んだ人間の感想とは十人十色ではあるとはいえこの本を読んでボートレース業界を批判するのは筋違いなのではないだろうかと個人的には思う。批判されるべきなのはどこまでいっても西川 昌希であるということは忘れてはならない。

実刑判決を受け刑期の間に彼がどのように罪を反省し再び外の空気を吸うことになるかはわからないが、このような態度と人間性をまずは改めるところから始めて欲しい限りである

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