プロペラ(ペラ)とは
ボートレースで使用されるペラと呼ばれるものをご存知だろうか。
スピード競技であるボートレースにおいて重要な役割を果たし、勝負の大きな部分を担うモーター部分に取り付けるプロペラのことを指す。
直径187mm、質量373±1gで2枚翼と小さな形状ではあるが、調整によって異なる挙動を示すため、モーターの性能を引き出す選手の整備力が問われる。
抽選で決定するペラ
現在はヤマト発動機製の「S1-改型プロペラ」を、レース期間前の抽選によって決定したモーターとセットで支給され、使用期間はあるが基本的に前節に使用したペラをそのまま再利用する。
抽選で決定するペラは、前節に使用、調整した選手によって形状も異なるため、戦術などで大きな整備が必要となる場合もある。
ペラ整備とは
ペラ整備はレース期間中にピット内のペラ室と呼ばれる整備部屋で、選手それぞれが調整していく。必ずペラを使用する選手本人が行わなければならず、高度な技術力と経験値が必要とされるペラ整備に苦戦する選手も多い。
ペラ整備に使用する道具は限られており、プロペラ修正台、ハンマー(木製や樹脂)、敷き革、ペンや鉛筆、プロペラゲージなどで自分の好みの形状に調整を行う。
ここでプロペラゲージについて少し掘り下げることにする。
プロペラをハンマーで叩いて形状を調整するのだが、自分の理想のペラとの誤差を目視で確認するために、プロペラゲージと呼ばれるプラスチック製の当て具をペラに用いる。
プロペラゲージとペラを合わせた際に、ピッタリと隙間がなくなるよう何度もハンマーでミリ単位の調整を続けていくのである。
過去に良い成績を残した際のペラや、走法にあった形状をゲージにして残しておくことで引き出しを増やし、さらに理想の形状に調整できる技術力を磨くことが、選手の勝率に直結するとも言える。
また、選手間でのゲージの貸借は許されているため、同期や同支部など選手間の情報共有も重要な要素になるだろう。
走法や戦略に合わせて行うペラ整備
イン、アウトの走法や、ターン重視、伸び重視など戦略によってペラの形状が異なるのもボートレースの大きな特徴である。
前節の使用選手と走法が異なる場合や、大きな整備が必要な場合は、理想のペラが仕上がるまでに時間を要する可能性もあり注目すべき点となる。
自分の乗り方にペラを合わせるか、ペラに自分の乗り方を合わせるかは、選手の能力や戦略と合わせて舟券予想をする際のポイントにしたい。
まとめ
最後にボートの良し悪し、選手の能力に左右されるペラについてまとめていく。
- モーターに取り付けるプロペラをペラと呼ぶ。
- 全国のボートレース場共通で同一基準のペラが使用されレース期間中にのみ整備が可能。
- ペラはレース期間前にモーターとセットに抽選で決定し、基本的に前節で使用したものを再利用する。
- ペラ整備は必ず選手本人が行い、他の選手が調整することは禁止されている。
- 走法や戦略によってペラの形状が異なるため、高い整備力が必要となる。
- トップ選手の一部にはペラの形状に関わらず、乗り方を自在に合わせられる強者も存在する。